英単語を”使える知識”として覚えるためには?
1.英単語を頑張って覚えたのに正しく使えないとお悩みのあなたへ
TOEICなどの点数を少しでも上げるために英単語を学習する人は多くいますが、同時に単語を頑張って覚えたのに「リスニングやリーディングなどで単語を正しく理解することが出来ない」という人も多くいます。
ただこの英単語が正しく理解できなかったり、使えなかったりするという問題は、実は英単語を正しい方法で覚えていないために起こっているということをあなたはご存知でしたでしょうか。
今回の記事ではそういった努力を無駄にしてしまうようなことを起こさないためにも、英単語を完全に使える知識として覚えるための具体的な学習方法についてご紹介したいと思います。
今回ご紹介する単語の学習方法はTOEICのリスニングやリーディングではもちろんのこと、スピーキングやライティングなどあらゆる英語力を上げるために役に立つものです。
ですので、現在単語が上手に使えない、または正しく理解できないという悩みを抱えている人はぜひ一度チェックしてみてください。
2.単語が使われる場面の理解が学習における重要なポイント
英単語を使える形で覚えるための具体的な方法をご紹介する前に、英単語の学習における最も重要な要素について解説します。
英単語を覚える時に最も重要な要素となるもの、それは、
「その英単語を使う場面(シーン)を頭の中で完璧に作り上げる」
ということです。
なぜ単語を使う場面を頭の中で作り上げることが重要になるのかというと、そもそもそれが出来ないと英語を話す相手が”本当に”言いたいことが理解できないからです。
例えば、日本語の「もし」を「If」と機械的に覚えている人は多くいると思いますが、実はこの覚え方では相手の言っていることを誤解してしまう可能性があります。
なぜなら、、、
日本語のもし→どんな確率でも使える
英語のIf→基本的には現実的ではない、起こりづらいことに使う
と、それぞれ表す世界が違うからです。
ですので、例えば、
「もしこのプロジェクトに成功したら、ボーナスを出すよ」
ということを言いたい時に、「If」を使ってしまうと相手には
「プロジェクトは万が一にも成功することはないだろうけど、もし成功したらボーナスを出すよ」
というように馬鹿にしているように通じてしまいます。
このようにしっかりとその単語が表す場面やシーンなどを含めて学習しておかないと恐ろしい誤解を生んでしまうことがあるので、それを抑えるためにも英単語を使う場面(シーン)を頭の中で完璧に作り上げるということが非常に重要になるわけなのです。
ちなみになぜ単語にこのような違いがあるのかというと、そもそも言葉作り上げられてきた文化そのものが違うからです。
つまり、
英単語の学習=異文化(相手の作り上げる世界)の理解
とも言えるのですね。
ですので、これからは使える英語を身につけるためにも「相手(英語)の世界、文化ではどのような意味を持つのだろうか」ということも考えながら英単語について学んでみてもらいたいと思います。
3.単語が表す世界をイメージするための方法
ということで、単語の学習をする時になぜその単語が表す場面(世界)を理解する必要性についてはなんとなくお分かりいただけたと思いますので、次に実際にどのようにそれぞれの単語の表す世界をイメージしていけばいいのか、解説をしてきます。
まず、単語が表す世界を最も正確に、1mmのズレもなく理解する方法についてです。
その方法とは、、、
「海外のその場面を経験すること」
です。
が、残念ながらこれは日本にいる時点では出来ませんね。
では実際に日本にいながらも正確にその英単語が使われる場面をイメージする方法はどういうものがあるのでしょうか。
実はこの方法については幾つか有効な方法がありますので、これから1つ1つ詳しく解説していきたいと思います。
方法1.映像で場面を確認する
まず1つ目の方法としてあるのは、映画やドラマ、アニメなどで覚えたい単語が使われる場面を見ることです。
これは実際に経験することには敵いませんが、かなり正確にその世界を理解することが出来ます。
※日常生活を題材にしたアニメは単語のレベルが高すぎず、かつスピードもゆっくり目のものが多いため、学習にはオススメです。
方法2.例文の日本語訳を見て、自分なりに頭のなかでイメージを作り、想像してみる
これは文字通りの方法で、覚えたい英単語が使われている文章の日本語訳を見て、その場面を脳内でイメージとして作り上げるという方法になります。
この方法は特に映像がないTOEICの単語集で使える方法なので、TOEICの英語力を伸ばしたい人にはぜひ試してみてもらいたいと思います。
ただし、この方法は日本文化で育ってきた日本人の”想像”になってしまうので、間違った解釈で覚えてしまう可能性がある、というデメリットがありますのでご注意ください。(このデメリットについては英語を使う現場に行けば、比較的簡単に修正可能です。)
方法3.Googleの画像検索を利用する
この方法は英単語を覚える方法の中でも結構有名です。
具体的な方法は非常に簡単で、単純に覚えたい単語をGoogleの画像検索してみれば良いのです。
Googleの画像検索をすれば、そのその単語が持つイメージがダイレクトに理解できますので、特定の単語を効率的に覚えたい場合には結構オススメになります。
ちなみに方法2と組み合わせると、より正確に英語を理解できるようになりますので、興味があればぜひ試してみてください。
以上の3つが代表的なものとなります。
4.単語1つ1つのイメージを理解する方法の最大のデメリット
さて、ここまで単語の学習について色々と解説してきたわけですが、実はここまでご紹介してきた単語の持つ意味を理解する学習法には残念ながら1つの大きなデメリットがあります。
それは、、、
「時間がかかってしまうこと」
です。
先程の3つの方法を考えればわかると思うのですが、英語=日本語で機械的に覚えていく方法よりもやはり時間がかかってしまうのです。(それだけ覚えやすくなるので、結果的にはあまり変わらないかもしれませんが)
ではこのデメリットをなくすことはできないのでしょうか?
実は1つだけあります。
それは、
英語=日本語で一気に覚えてしまって、後から時間のある時に徐々にイメージを理解していき、修正していく
というように覚える段階を2つに分けるという方法になります。
この方法であれば、英語=日本語で機械的に覚えるスピード感を保ちつつも、イメージを理解していくというステップを取ることで、ある程度は使える形で英単語を身につけられるようになるのです。
そのためなるべく早く覚えることを重要視したい時には、この方法に挑戦してみても良いでしょう。(ただし、使える形で覚えることを重要視するなら、やはり上記ご紹介した方法で学習することをオススメします)
5.英単語の学習時の注意点について
それでは最後に英単語の学習時に注意しておきたい5つのことについてご紹介したいと思います。
注意点1.音は必ず確認し、発音出来るようにしておく
理由は単純で、音をしっかりと覚えていなければスピーキングやリスニングに活かすことができなくなるからです。そのため単語を覚える時は意味はもちろんのこと、音についても重視して学習するようにしましょう。
注意点2.スピードを重視すること
なぜスピードを重視したほうが良いのかというと1日10個とかのレベルでは全ての単語を覚えるまでに時間がかかり過ぎてしまいますし、またスピードが遅いと後半の単語を覚え終わる頃には最初の単語を高確率で忘れてしまうからです。
そのためなるべく英単語の学習は短期間で終わらせて、あとはTOEICで覚えているか確認する時間を当てるようすると良いでしょう。
3.覚える対象(単語帳)を決める
単語をたくさん覚えるために、色々な単語帳を買い込む人が多くいますが、それはあまりオススメできません。
なぜなら単語帳というのは基本的にはどれも覚える対象はほとんど同じですし、さらに単語帳をたくさん買ってしまうとどれを勉強すれば良いのかわからなくなってしまって、モチベーションが下がってしまう可能性もあるからです。
そのためにも単語の学習をする時には、「これ!」という1冊を決めてそれに集中して取り組むようにしてくだしあ。
4.集中してやる
単語を覚える、という作業には想像以上の集中力が必要となります。
ですので、説明する必要もないとは思いますが、何かをしながら覚えるというようなことをすると全く覚えられない状況に陥ってしまいます。
そのため単語を学習する時には、単語の学習にのみ集中して行うようにしてもらいたいと思います。
5.どうしても合わないなら「英単語=日本語」方式でやる
今回ご紹介した英単語の学習法が有効な方法であることは確かです。(私自身がTOEIC900点以上を獲得しましたし、指導した人たちもこの方法でTOEICの点数やスピーキング力などを伸ばしています)
しかし、中には性格的にどうしても合わないという人もいるのも事実です。
そういった時には無理をして上記のような方法を実践しなくても構いません。
もちろん正しく使えなかったり、正しく聞けなくなる可能性はありますが、それでも覚えないよりは”マシ”ですし、この方法でも結果を残している人はたくさんいますので。
6.おわりに
さて、今回はここまで英単語を使える知識として覚えるための具体的な方法論についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
どの方法もその効果はかなり高いことは私の学習経験、また指導経験からわかっていますので、もしいずれかの方法に魅力を感じたのであれば、使える英語力を身につけるためにもぜひ一度取り組んでみてもらいたいと思います!
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